私(カズヤ)は図書館好きなんです。

ここで紹介する本はすべて岩出市・紀の川市立図書館の蔵書です。

最近読んだ本

母性(おすすめ度★★★★★)

湊かなえさんの2012年に出版された作品です。期待通り面白かったです。タイトル通り、母性がテーマです。一つの物語が母親の視点・娘の視点・第三の視点と3つの視点から描かれています。母親が無償の愛を子供に注ぐ。その愛が完全に無償であればよいのだが、どうしても喜びや感謝という「見返り」を子供に求めてしまう。しかし子供から返ってくるそれは自身が子供時代に母親に対して与えた「見返り」とは違うー。要はたとえ親子間でも絶対にある価値観の相違、それを許容するかどうかを含めどう捉えるかと言うことですかね。

偽姉妹(おすすめ度★★★☆☆)

山崎ナオコーラさんの2018年に出版された作品です。「友人」の定義・「姉妹や家族」の定義・通念的な価値基準などに縛られたくないと思いつつもそれを滑稽なまでに意識している主人公。その考え方や感じ方が面白いです。叶姉妹や阿佐ヶ谷姉妹を目指して「偽姉妹」関係を提案する主人公も、それに同意する友人も、普通に考えたらおかしいでしょうよ。友人でいいじゃねえか。

反人生(おすすめ度★★☆☆☆)

山崎ナオコーラさんの2015年に出版された短編集です。うーん・・・「何なのよこれ」という作品ばかりでした。面白い・・・かあ?

定年前(おすすめ度★★★☆☆)

大江英樹さんの2019年に出版された作品です。「50歳から始める『定活』」というサブタイトルに惹かれて読んでみました。人生には今やっている仕事以外にも色んな選択肢がある。それは分かる。でも転職とか起業とかダブルワークとか言われても現実問題なかなかなあ・・・。難しいよな・・・。

ムーンリバーズを忘れない(おすすめ度★★★★☆)

はらだみずきさんの2015年に出版された作品です。人は生きていく中で順調な時もあればそうでない時もあり、常に何らかのコンプレックスや負い目・ストレスを抱えていると思います。それを大義名分にして腐ってしまうか。それともその状況と対峙しつついかに熱い気持ちで信念・初志を貫くか。人生はその選択の連続だと思います。置かれた状況に対して登場人物それぞれが良くも悪くも少しずつ変化していく様が丁寧に描かれています。面白くて一気に読んでしまいました。

波に乗る(おすすめ度★★★☆☆)

はらだみずきさんの2015年に出版された作品です。入社1ヶ月で会社を辞めた緒方文哉。その直後、父芳雄が急死する。数年来音信不通で一人千葉館山に移住していた父。父の遺品整理をしていく中で、文哉が知らなかった父の姿が徐々に明らかになっていく・・・。という内容です。父・息子間の確執⇒理解⇒自身の成長というある種定番の展開ではあるのですが。これね、知らなかった父が思っていたより素敵な場合は良いのですが、逆の場合はイタいよな。

ぼくの最高の日(おすすめ度★★★★★)

はらだみずきさんの2013年に出版された作品です。短編集なのですが、一部ストーリーが繋がっている連作短編です。初めて読んだ作家さんですが、めっちゃ良いです。「~活字が像を結び、物語の風景が私を包み込む。いつのまにか自分ではないだれかの人生を生きている~」(本文より抜粋)まさにそんな感じです。

ボーイミーツガールの極端なもの(おすすめ度★★★★★)

山崎ナオコーラさんの2015年に出版された作品です。この作家さんの作品は短編集の中の1つとして読んだことはあったのですが、今回初めて1冊の作品として読みました。色んな形の恋愛を、その主人公視点で描いています。短編集のようでそうでないような内容です。結局、「第9話 絶対的な恋なんてない」という事ですかね。面白いです。

幸福な食卓(おすすめ度★★★★★)

瀬尾まいこさんの2004年に出版された作品です。仕事を辞め、父親を辞めると言い出した父・家を出た母・進学しない兄。家の中はかなりおかしな状況だが、それでも佐和子の日常は続く。何とかバランスをとりつつ、みんなそれぞれ少し良い方向に進んでいくと思われたのだが・・・という内容です。「突発的に起こる深刻な問題や課題」と「日々の食事(暮らし)」は同時進行であり、淡々とやり過ごすことで活路を見いだせる事もありますよね。最終章は「嘘やろ!?」的展開です。内容は言えませんが。読みやすいし面白いです。お勧めです。

おしまいのデート(おすすめ度★★★★★)

瀬尾まいこさんの2011年に出版された短編集です。自分的にどれが一番かというと、王道で泣ける「ランクアップ丼」か絶妙の切り口で唸らせる「ファーストラブ」か・・・。迷うところです。でもどの作品も良かったです。
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