私(カズヤ)は図書館好きなんです。

ここで紹介する本はすべて岩出市・紀の川市立図書館の蔵書です。

最近読んだ本

哲学ってなんだ

「新人生論ノート」からの流れで読みました。「自己」とは何か・「社会」とは何か・他者との関わりにどのような意味があるのか等私のような凡人は死ぬまで(死んでも?)到達できない「領域」を紹介してくれます。面白いのとやや難解なのとで2回精読しました。納得いかないのは出版元が岩波ジュニア新書であること。青少年にこの本は無理でしょうよ。それとも私の読解力の問題か?

コンビニ人間

村田沙耶香さんの小説で2016年芥川賞を受賞しています。印象としては「変わった作品」あるいは「不気味な作品」といったところでしょうか。自分の知らない世界が描かれているので面白いのですが、「幸福」とか「希望」とか一切なし。それどころか主人公の喜怒哀楽も一切なし!個人的にはもっとストレートでハッピーエンドな物語の方が好きですね。

夜のピクニック

今をときめく恩田陸さんの2004年の作品です。恩田さんの母校で実際に行われている「歩く会」という行事が舞台で、いわゆる「青春の1ページ」が丁寧に描かれています。恩田さんが昭和39年生まれで、物語に携帯電話・メール・SNSなどが登場しないことから時代背景は彼女の青春時代である1980年代かと思います。つまり、私のようなaround50にとってはドンピシャの設定なのです。中高年の皆様、(とうの昔に)過ぎ去りし甘い青春の疑似体験ぜひご堪能下さい。2006年に映画化もされています。

新人生論ノート

今月のNHK「100分de名著」は三木清の「人生論ノート」なのです。大学生時代にインテリ気取りで読んではみたものの、正直サッパリ解りませんでした。で、これを機にもう一度読んでみようかと図書館で検索をかけ、たまたまヒットしたのがこの本です。哲学者である木田元先生の著書は初めてなのですが、すごく面白く、且つ勉強になりました。読書について、先生は「魂を鍛える方法の一つ」であり、魂を鍛えることで「深く考える術を学び、深く感じる術を学ぶ」ことができると説かれています。なるほどねえ。今まで「魂を鍛える」なんて概念すら持ち合わせてなかったっすよ。ちなみにオリジナルの「人生論ノート」、ページをパラパラっとめくった数秒後に脳が拒絶しました。私は読みたかったんですけどね。私の脳が嫌なんだって。

幸せになる百通りの方法

荻原浩さんの短編小説集。期待通り面白かった。ただ、「八方塞がりで行き詰った主人公が、苦悩した末最後に新たな一歩踏み出す」というパターンが多く少し飽きたかな。(偉そうなコメントですみません。)

誰かが足りない

宮下奈都さんの短編小説集の様な小説。「どんな失敗でも、何回失敗しても、笑えばいい。笑ってあげればいい。絶望さえしなければ大丈夫。」確かにそう思う。

海の見える理髪店

2016年直木賞受賞作です。6つの短編からなる短編集です。個人的には「成人式」が一番良かったです。ああこんなけじめのつけ方もあるのかあ・・・この悲しみを乗り越えるにはこれくらい振り切った行動が必要かもな・・・私たち夫婦がもし同じ状況であればどうするだろうか・・・など娘を持つ親としていろんなことを考えてしまいました。

静かな雨

宮下奈都さんのデビュー作です。素朴な疑問として、何で成人女性の宮下さんが若い男性の心情を繊細に描写できるんですかねえ?例えば私が思春期女子の心情を描けるかと考えたら、どう逆立ちしても100%無理でしょうよ。作家さんの想像力(妄想力)って凄いよねー。  

また、同じ夢を見ていた

いやあ、やられました。すっかり住野よるさんのファンになってしまいました。「キミスイ」に続く第2作目ですが、個人的にはこっちの方が断然面白かったです。「人生とは?」という問いを考えたとき、当然実存の世界の中で人・モノと関わりながら生きているのだが、突き詰めていくと最終的には自身の脳内活動なのでは。「体験」という電気信号を受け、それに対して自身の脳がどう反応しどういうログを残すか。それが核心であり、全てなのでは。そうであるなら、その電気信号は実存しようとしまいと、事実であろうとなかろうと、そう大した意味がないのではなかろうか。要するに何を言いたいかというと、『いい本読んで、いい映画観よう。疑似体験もすごーく大事よ』って事。この本を読んでそう感じました。

羊と鋼の森

2016年本屋大賞第1位。まずタイトルで惹きつけられます。で、読み始めるとすぐにタイトルの意味は分かります。(敢えてバラしませんが。)大きな事件やドラマチックな展開は無く淡々とした日常を描いた作品なのですが、登場人物の心情がとても繊細に描かれていて、読んだ後「心が洗われる」といった感じでしょうか。さすがにこの作品は映画化無理でしょう。と思ったら・・・映画化が決まってました。2018年公開予定とのこと。
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